「ボクサーの減量についてくわしく知りたい」
「減量にはどんなメリット・デメリットがあるの?」
「ボクサーはなぜ、苦しい減量をするのか?」
こういった疑問にお答えします。
ボクゼロプロボクサーの代名詞とも言える「減量」
そもそも、なぜボクサーはつらい減量をするのかを深掘りしてみたよ!
- ボクシングファン歴20年
- ボクシング歴10年
- 元スーパーライト級・
ウェルター級のプロボクサー


ボクサーの減量の流れを分かりやすくまとめました


プロボクサーの減量は、
試合の1〜3ヶ月前から計画的に行い、5〜10kgを前日計量までに落とします。
人によって筋肉量・トレーニング量・体の基礎代謝能力など違いがあるので、
時間を長くかけて体重を落とす人もいれば、短期間で一気に落とす人もおり、
各人の体質に合った方法を行います。
基本的な流れは、以下の通りです。
体脂肪を落とす期間
・期間と減量を行う体重幅を確認して、目標設定する。
・間食や甘いものをやめ、食事内容を制限する。(カロリー制限も行う)
・トレーニングの強度を上げる。
・集中力を使う実戦的な練習を増やす。


体の水分量を調節する期間
・無駄な体脂肪が落ちきって、ほぼ筋肉のみのキレキレの体になる時期。
・計量日の2〜3日前から徐々に水抜きを行い、階級のリミットまで体重を落とす。


計量日当日
試合開始までの間は自由に食事をとって体重を増やしてもOK。
しかしここで暴飲暴食すると、すべてが台無しに。最後の仕上げ。
リカバリー:減量により消化器官が収縮して弱りきっているため、
はじめに水分を何度かに分けて吸収させて、そのあと消化に良いものからゆっくりと体に吸収させる。
その後、試合に向けてしっかりと睡眠をとる。
減量のメリット・デメリット


減量のメリット3点
① 体格面で有利に戦うことができる
1階級違うだけで、リーチ(パンチが当たる距離)・パンチ力がまったく違ってくるので、
なるべく下の階級で試合をすれば、体格のアドバンテージを生かすことができます。


② 体から無駄が削ぎ落とされる
プロボクサーも、普段の練習で必要な筋力をつけるための筋力トレーニングはします。
そのためにはどうしても体脂肪がつくのは避けられないので、その無駄な体脂肪をしっかり落とすことができます。
そして、ボクサーが頭に描く理想の動きに体をリンクさせることができます。
③ 感覚が研ぎ澄まされる
「空腹」の状態というのは、全身の感覚が研ぎ澄まされます。
特に脳の感覚…集中力が増し、反射神経が普段より鋭くなるのを実感します。
減量のデメリット3点
① とにかくつらい。食べられない苦しみ。
食べたいものが食べられない、ということは本当につらいことです。
人間の最大の欲、食欲を断つと、人は食べることだけを考えるようになります。
最終調整に入る頃には、何もせずジッとしていても、とにかくつらいです。
② 過度な水抜きは脱水症状を起こす
自分の体の限界を把握できておらず過度な水抜きをやってしまい、
水抜き中に失神して救急搬送されたり、
全身が痙攣してつりだしたりと脱水症状におちいる事例は後を立ちません。
また、行きすぎた減量により体内のミネラルが足りず、
試合中に下半身の筋肉が痙攣してまともに動かなくなることもあります。
③ ただ計量日に体重をつくれば良いものではない【実体験】
現役時代、今のようにネット上に食事制限の方法や、水抜き・リカバリーのやり方など情報が少なく、我流のやり方で減量をしていました。
見てくれるトレーナーはおらず、聞ける人間も周りにいません。
とにかく毎日ロードワークして、ハードに練習をこなし、食事を減らしていく…そして最後はサウナとツバ吐きでリミットまで体重を落とす。
決められた階級で計量日までに、何をしてでも体重を落としきる。
そんな理論無視の減量をした結果、半病人のような状態でリングに上がることになりました。
脱水症状からの、完全にリカバリー失敗。
とにかく空腹が苦しくて仕方なかったので、計量後の食べたり飲んだりが止まりません。
その結果…
・試合前日、お腹が気持ち悪くてほとんど眠れない
・スタミナが1Rできれる
・足腰に力が入らず、ジャブをくらうたびに盛大にぐらつく
練習したことが本番の試合で1ミリも出せませんでした。
体重を無理やり減らして計量を通過したとしても、
試合で練習したことが発揮できるコンディションをつくれていないならば、
それは減量の失敗なのです。
結論:減量は最強の自分をつくるため


ボクサーが減量をする理由は、最強の自分をつくり、試合に勝つためです。
その手段のひとつとして、減量があります。
ボクサーだった身として「勝ちたい」という気持ちは切実にわかります。
ですが、体格差を活かそうと度を超えた減量をしてはコンディションを確実に崩して、
最強の自分からは遠のいてしまいます。
減量することが目的にならないように、
リングで戦うための体をつくる一環として減量という作業をとらえると良いですね。



普段の練習で、自分が一番動ける状態…ベストコンディションを把握しとくのが大事!
本日は以上となります。
お読みいただき、感謝いたします。

