本記事で解決できる疑問
・バッティング、ラビットパンチ、オープンブローって何?
・ボクシングの反則行為の一覧が知りたい
・対戦相手への抱きつきは反則になる?
こんな疑問にお答えします!
本記事の信頼性

シュウ
- ボクシング歴11年
- 元プロボクサー
- 元ボクシングジムトレーナー
ボクシングを始めたばかりの人は、反則について細かく理解している人は少ないと思います。
しかし、ボクサーにとって反則のことをしっかり知ることは非常に重要です。
反則の種類やその対策に関して何も知らないままだと、実際のリングの上では“敗北”に直結することも少なくないからです。
本記事の内容
・ボクシングの反則とは
・ボクシングの反則パンチ
・ボクシングの反則行為
・反則すれすれグレー行為への対策
本記事を読むことで、ボクサーの必須知識である反則について全て理解できます。
さらに、反則への対策練習を行うことで、ボクサーとしてのさらなるレベルアップにつながります。
シュウ実体験を交えて解説します!
ボクシングの反則とは


ボクシングに反則があるのは、試合を安全かつ公平に行うためにあります。
また、リング上でのスポーツマンシップを守るためです。
あきらかな危険行為は当然やってはいけませんが、ひとつの不可抗力の反則で試合の流れがガラッと変わり、敗北という結果につながってしまった…
そういった試合は過去にいくつもの事例があります。
反則の定義と規定を本記事でしっかりと学び、ボクサーとしての実力をまたひとつレベルアップさせましょう。



反則をしっかり理解しておくことは、ボクサーとして当然の知識だね。
ボクシングの反則パンチ
ラビットパンチ


後頭部へのパンチです。
最も危険性の高い反則パンチとされ、顔面に打撃を受けるよりも直接脳にダメージが及びます。
脳の重要な器官が集中するのが後頭部ですので、意識を失い、重い障害が残ってしまったボクサーの事例も過去に存在します。
一方、後頭部から少し手前のテンプル(こめかみ)へのパンチは禁止されておらず、むしろ人体の急所であり、パンチで狙うべき場所になります。
ローブロー


下半身へのパンチです。
ボクシングではトランクスのベルトラインより下への加撃は禁止されています。
オープンブロー


拳を握り込まないで、開いた状態で加撃する反則パンチです。
ボクシングのパンチは拳を握り込み、ナックル(指の根本の関節)を当てることが原則です。
ボクシンググローブの縫い目で相手にカット(皮膚の裂傷)させる恐れもあります。
サミング
親指が対戦相手の目に入る反則行為です。
ボクシンググローブは親指だけが独立して動きます。
オープンブローの状態でパンチを打つと、試合中に親指が相手の目に入り、場合によっては失明に至ったりもします。
バックハンドブロー(裏拳)
ボクシングでは、ナックル以外の攻撃はすべて反則パンチとなります。
キドニーブロー
キドニー(腎臓)へのパンチという意味ですが、反則の定義として、背中・背面へのパンチ全般を指します。
ボクシングでは基本的には上半身の全面・側面への攻撃しか認められていません。
ボクシングの反則行為
ボクシングの反則行為は試合を行う団体によって規定が細かく違います。
ここでは全団体共通の反則行為をご紹介します。
バッティング


頭や肘が相手に接触し、ダメージを与える行為です。
ボクシングでは主にヘッドバッド(頭突き)がバッティングとされています。
ボクシングでは最も有名な反則行為です。
選手の顔面や頭が切れて出血してしまうことが多々あり、試合中に出血が止まらないと、選手は「試合を止められるんじゃないか」と心理的に追い詰められます。
出血は試合の勝敗を左右する大きな分かれ道になりえます。
ホールド(ホールディング)


相手をつかまえる行為全般を指します。
腕を絡ませたり、相手の頭を抱え込んで動きを封じたりすることです。
クリンチはディフェンス技術のひとつですが、あまりに強引に相手に接近し、抱きつくような動作はホールディングとみなされます。
レスリング行為
ボクシングでは両手の拳で打撃し、攻撃することのみを許可されます。
レスリングのような投げ・押し・抱え込みは禁止されています。
ローダッキング
自分の頭を相手のベルトラインより低い位置まで、ダッキング(上半身を倒しパンチを避ける行為)することは禁止されています。
反則すれすれグレー行為への対策|体験談あり


ボクシングでの反則にはグレーな部分も存在し、反則をとられるか否かはリング上のレフェリーの判断に委ねられます。
実際のリング上では、反則行為をしたからといって一発で失格負けになることはなく、以下のような流れで進みます。
口頭注意〜失格までの流れ
| 1|レフェリーが反則行為と判断した場合、まずは口頭注意(警告) |
| 2|同じ反則行為を繰り返したり、明らかな故意であると判断された場合、ポイントを減点 |
| 3|さらに悪質性が高い場合や、相手が試合続行不能になった場合は即座に失格負けが確定 |
レフェリーに注意されない限り、反則ではない|ダーティテクニック
グレー行為、いわゆる「ダーティテクニック」は、リング上のレフェリーが反則と判断しなければ戦いを優位に進める有効な戦術にもなりえます。
腕で相手の頭を抱え込んだり、腕を絡めてパンチを封じるホールディングも、レフェリーの注意が入らないギリギリのラインを見極めて行えば有効な戦術になりえます。
また、相手の懐潜り込んだり、距離を縮める際に、意図的に頭から突っ込んでくる選手もかなりいます。
バッティング(頭突き)行為の活用と言えますが、上記のように1回や2回注意を受けたとしても減点にはなりませんし、よほどのことがないと失格負けにもなりません。
これもまた一つの戦い方と言えます。
反則行為への対策練習
上記のようなバッティングやホールディングといった反則への対策練習を行うことは、選手として上に行くために必須のトレーニングになります。
普段の練習メニューのマスボクシングやスパーリングの中で、クリンチワークや相手の頭突き攻撃をいなす練習を取り入れていきましょう。
また、試合を控えている選手の場合、相手のファイトスタイルに合わせて反則対策を練ることが重要です。
現役時代の記憶|体験談
僕は現役時代、長身のアウトボクサーだったので、自分より小柄なファイタータイプと戦うことが多かったです。
特にゴリゴリの突貫ファイター相手になると、バッティングを受けるのは1度や2度では済みません。
下から突き上げるようなパンチが飛んでくるので、頭の位置を頻繁に変える練習や、腕の絡め方なども練習していました。
特に重要視していたのがクリンチワーク。
自分よりガッチリした選手相手に体勢をいなして回り込んだり、距離を意図的に作ったり…
自分の懐に入らせないために、相手の肩口や胸を狙ってパンチを打ったりと工夫を重ねていました。
また、対策をやり続けるためのスタミナも作り上げなければいけませんでした。



試合中に相手のバッティングで片目が腫れてふさがり、距離感が消えたこともあったよ…
まとめ|反則への対策練習の大切さ


ボクシングのリング上で、反則行為ひとつひとつに判断を下すのはレフェリーただひとりです。
反則の判断基準が規定されていると言えども、実際の現場では各レフェリー各々の判断基準が存在しています。
彼らも1人の人間であり、いつでも完璧なレフェリングをするわけではない。
一瞬の見落としや、とるべき反則をとらないシーンは確実にあります。
それらを踏まえて選手にできることは、「反則をしてでも勝つ」というメンタリティを持った選手に対してその対策を日頃からトレーニングしておくこと。
- バッティングで片目がふさがった状態での戦い
- パンチと一緒に頭ごと突っ込んでくるファイターに対する対処
- リング上でクリンチワークのみの練習
- 体幹で押し合い、スタミナをつける練習
- もみあいの中で相手のパンチを封じる練習
などをスパーリング・マスボクシングの練習の中に組み込んでいくことをおすすめします。
スパーリングに関しては、別記事で深掘りしています。
反則行為を深く理解し、逆にそれを利用して勝利に近づく。
これを常に意識することは、上を目指すボクサーにとって必須のメンタリティです。
実際に、反則がリング上で起きた時にいたずらに慌てず、平常心を貫くことができるように、普段のジムワークから意識して、頭のどこかにおいて練習してみてください。



この記事がダーティファイトにも屈せず、試合に勝利する手助けになることを願ってる!
本日は以上となります。
お読みいただき感謝です。
また、次回の記事でお会いしましょう!



