本記事で解決する疑問
・佐々木尽の戦績と獲得タイトルを知りたい!
・佐々木尽の実力を知りたい。強いの?
・佐々木尽はウェルター級世界チャンピオンになれる?
井上尚弥・井上拓真・中谷潤人…軽量級ボクシングは日本人選手が世界の舞台で活躍していますが、中量級、ウェルター級で世界に挑み続ける日本の若武者をご存知ですか?
そのボクサーの名前は、佐々木尽。
日本人未踏の地、世界ウェルター級チャンピオンを目指す若き日本のホープです。
スピード・パワーともに世界最高を求められる激戦階級で、チャンピオンの座を狙う佐々木尽選手についてその実力…弱点・強みを徹底分析しました。
本記事の内容
・現在の戦績と獲得タイトル
・佐々木尽の実力|弱点と強み
・すさまじく難しい挑戦。でも可能性は十分ある
・日本ボクシングの未来を切り開くボクサー

シュウ
- 元プロボクサー
- 元ボクシングジムトレーナー
- ボクシング歴11年
- トレーニング歴24年
現在の戦績と獲得タイトル

| 佐々木尽のプロフィール | |
|---|---|
| 本名 | 佐々木 尽(ささき じん) |
| ニックネーム | THE MOVIE |
| 身長 | 174cm |
| リーチ | 176cm |
| 生年月日 | 2001年7月28日(25歳) |
| 出身地 | 東京都八王子市 |
| 所属ジム | 八王子中屋ジム |
| ファイトスタイル | オーソドックス(右構え) インファイター |
現在の戦績
24戦 21勝(18KO)2敗 1分
獲得タイトル
- WBOアジア太平洋ウェルター級チャンピオン
- OPBF東洋太平洋ウェルター級チャンピオン
- 日本ウェルター級チャンピオン
佐々木尽の実力|弱点と強み

佐々木選手は、超攻撃型のインファイター。近距離〜中間距離で最も強さを発揮します。
闘志を前面に出し、対戦相手をKOで薙ぎ倒す彼のファイトは、ボクシング初心者の方もシンプルに楽しめること間違いなしです。
弱点|守備のもろさ・攻撃パターンが単調
すさまじい攻撃力を誇る一方で、ディフェンス能力は高くありません。
ガードの意識が弱く、相手の攻撃距離・危険な場所で無防備になるシーンが多く、たびたび相手のパンチをもらいます。
また、攻撃のバリエーションにとぼしく、左フック一辺倒になることも多い。まっすぐのジャブやストレートのコンビネーション、ラウンドごとの駆け引きなどを覚えていきたいところです。
ただ、最大の攻撃力を発揮するためには、ディフェンスはある程度捨てる必要があるよ。パンチをもらうリスクを負わないと、KOはできない。
強み|一点突破の攻撃力、驚愕のスピードとフィジカル。
左右フックのパワー・ハンドスピードが凄まじく、その攻撃力でこれまでKOを量産しています。
佐々木選手が主戦場とするSライト・ウェルター級で彼ほどのハンドスピード、パンチのパワーを持つ日本人選手をぼくは知りません。
パンチの破壊力とハンドスピードは体幹、つまり体の“軸”の強さがあることによって何倍にも跳ね上がる。
佐々木尽はこの体幹の強さ・世界レベルのフィジカルを持っていて、彼のすべてのパワーパンチはこのフィジカルの強さが生み出しています。
それに加えてリングに上がった瞬間から剥き出しにする闘争心。
どんな劣勢の場面でも衰えることのない、燃えたぎる闘争心は佐々木尽の持つ最高の「才能」のひとつです。
すさまじく難しい挑戦。でも可能性は十分ある|日本人初・ウェルター級への挑戦


世界初挑戦の惨敗
25年6月19日、佐々木尽はWBO世界ウェルター級王者ブライアン・ノーマンJr.に挑戦しました。
結果は初回に2度のダウンを奪われ、5ラウンドにカウンターの左フックで大の字になるダウンで失神KO負け。
担架で試合会場を後にする結末で、佐々木尽の初めての世界への挑戦は終わりました。
あまりの衝撃で、一時的に直近2ヶ月の記憶を失っていたとのこと。
ウェルター級というヤバすぎる階級
ボクシング界の軽量級…ミニマム・フライ・バンタム級は日本人が強い階級です。
軽量級全体でも日本人やアジア人選手の数が多く、層が厚いので、過去に何人もの世界チャンピオンを輩出し、現在も井上尚弥を筆頭に日本人・アジア人が中心となっています。
佐々木尽が主戦場とするウェルター級は、世界で最も王座獲得が困難な階級。
それは、世界中で選手の数が軽量級に比べて3倍ほどおり、チャンピオンはアメリカ・ヨーロッパ人などの欧米人が独占している階級です。
日本人は平均的な体格で劣り、普段のトレーニングでのスパーリングパートナーが身近におらず、練習環境で大きなアドバンテージがあります。
フェザー級より上の階級は、日本人が世界のベルトを巻くのがものすごく難しいと言われている…
≫ ボクシングの階級を詳しく解説|階級が変わると何が変わる?
それでも、彼は可能性を残した
ノーマン戦の試合映像を3回見直し、佐々木選手が負けた要因は何かを考えました。
スピードでは上回っている、そしてフィジカルでも決して負けていない。
ノーマンを押し込むシーンもあるし、ボディブローや左右のフックも確実にノーマンを捉えている。
ぼくが感じた佐々木が足りなかった点は、本物のウェルター級と対峙した経験が無かったこと。
ここに尽きると思います。
細かいパンチを当てる技術、当てる場所など…初めて経験する衝撃をくらい、佐々木選手は何度もダウンを繰り返した。
この部分はどうしたって仕方ない。普段から練習環境に恵まれ、アメリカで本物の重量級ファイターたちとスパーリングを重ねているノーマンとは経験値の差が出て当然です。
しかし、佐々木尽はまだ若い。これからの選手です。
経験が無いならば、これから詰めばよい。
世界に通用するスピード・フィジカル・技術力を証明した一戦、未来につながる一戦だったとぼくは思います。
世界チャンピオンの前でも変わらぬ気迫。この精神力の強さは必ずまた彼を世界戦のリングに導くと確信している。
まとめ|日本ボクシングの未来を切り開くボクサー


世界ウェルター級王者になれるのは、特別なボクサーのみ
世界の中量級…ウェルター級チャンピオンの座は、パワーとスピードの両方を兼ね備えた究極のボクサーのみがたどり着ける場所です。
これまで日本人のウェルター級世界チャンピオンはゼロ。
数々の日本人ファイターが世界の壁に跳ね返されてきました。
初挑戦後の佐々木尽|再始動!
ノーマン戦後、あまりにも痛烈な負け方だったので、このまま引退するのでは…?とぼくは心配になりましたが、佐々木選手はまったく世界チャンピオンへの道を諦めてはいませんでした。
- OPBF東洋太平洋ウェルター級王者:田中空
- 日本・WBOアジア太平洋ウェルター級王者:セムジュ・デビッド
と強豪を撃破し、改めてアジアでは敵なしということを証明。
この記事を書いている26年9月の時点で日本・OPBF・WBOアジアウェルター級三冠王者となっています。
また、アメリカへ出向き、トレーニング・スパーリング合宿を張ったりなど、海外の中量級選手との手合わせも重ねて経験値を確実に積み重ねています。
日本人初。ボクシング中量級の先駆者に
佐々木尽のボクシングは、シンプルにおもしろい。
彼のボクシングは一点突破あるのみ。
井上尚弥や井上拓真のようにハイレベルのボクシング技術を見せつけて相手を圧倒するわけじゃなく、圧倒的攻撃力で相手を飲み込み、ねじ伏せるシンプルかつスリリングなファイトスタイル。
ボクシング初心者の方にもわかりやすく、シンプルな強さをみせてくれます。
ハラハラするシーンも度々見られますが、それもまた彼の魅力のひとつで、リスクを背負ってファイトしている証拠です。
アマチュア経験がない、いわゆる叩き上げのボクサー。
昭和の匂いが漂う、魅力あふれるファイター。
そしてリングを降りたら、礼儀正しい好青年。
怪物だらけの世界ウェルター級の戦線で、頂きに上り詰める日まで応援し続けたくなる存在です。
井上尚弥が軽量級・日本ボクシングの先駆者ならば、佐々木尽こそが中量級・日本ボクシングの先駆者になって欲しい。
常々彼が口にしている、日本人初の世界ウェルター級チャンピオンとなる日を心から応援しています。

