本記事で解決する疑問
・堤聖也の戦績と獲得タイトルを知りたい
・堤聖也とはどんなボクサー?強いの?
・堤聖也の代表的な試合を知りたい
井岡一翔・那須川天心を圧倒的なボクシングテクニックで退け、今やバンタム級の中心人物である井上拓真。
その井上拓真に日本人で唯一、敗北を与えたボクサーをご存知ですか?
ボクサーの名は堤聖也。
元WBA世界バンタム級チャンピオンであり、アマチュア戦績100戦以上のキャリアを持つ実力派ボクサー。
「サイクロン」の異名通り、暴風雨のように左右のパワーパンチをくり出す、スイッチスタイルを得意とするスタミナとタフネスの怪物です。
本記事の内容
・堤聖也の現在の戦績と獲得タイトル
・堤聖也のボクシングの特徴と実力|弱点と強み
・【必見】堤聖也の名勝負 2選
・魅力あふれる「名勝負製造機」

シュウ
- 元プロボクサー
- 元ボクシングジムトレーナー
- ボクシング歴11年
- トレーニング歴24年
堤聖也の現在地、実力・強みや弱点をわかりやすく解説したよ!
現在の戦績と獲得タイトル|プロフィール詳細


| 堤聖也プロフィール | |
|---|---|
| 本名 | 堤 聖也 |
| ニックネーム | CYCLONE(サイクロン) |
| 身長 | 166cm |
| リーチ | 164cm |
| 生年月日 | 1995年12月24日 |
| 出身地 | 熊本県熊本市 |
| 所属ジム | 角海老宝石ボクシングジム |
| ファイトスタイル | スイッチヒッター インファイター |
現在の戦績
プロボクシング
16戦 13勝(8KO)0敗 3分
アマチュアボクシング
101戦 84勝(40KO)17敗
獲得タイトル
- WBA世界バンタム級チャンピオン
- 日本バンタム級チャンピオン
堤聖也のボクシングの特徴と実力|弱点と強み


堤聖也のファイトスタイルはスイッチヒッター。
基本はオーソドックスで戦いますが、試合中頻繁にサウスポーに変え、ここぞというラッシュの時は両方のスタイルを変化させながら打ちまくる特殊なスイッチスタイルです。
弱点|美しいボクシングテクニックとは対極
堤聖也は相手のパンチを避けるフットワークのスピードがなく、まともに相手のパンチをくらうことが多々あります。
アマチュアのキャリアが長い堤選手ですが、井上拓真・田中恒成のような美しくスピーディなボクシング技術は持ち合わせていません。
きれいなボクシングとは対極に位置し、泥臭く、粘り強いファイトを得意とします。
相手のパンチをもらうことが多いので、必然的に試合は打ちつ打たれつの激闘になり、大出血をともなう激しい試合も少なくありません。
特殊なスイッチヒッター
恩師である石原トレーナー(現トレーナー)いわく、「堤は運動神経はよくないし、なんでも覚えるのが人より遅いタイプ」ということ。
堤選手はこの不器用さゆえにアマチュア時代から周りの2倍以上、シャドーボクシングなどの基本練習を地道に積み重ねます。
この膨大な基本練習をこなすうちに、自然と左右両方でバランスよく戦えるようになっていきます。
「足を入れ替えるだけがスイッチではない」と本人も語るとおり彼のスイッチは単なる奇策ではなく、
- 相手のガードの隙をつくる
- 攻撃の角度を巧妙に変化させる
- 左右ともにパワーパンチを打てる
といった状況に合わせて細かく切り替える、堤聖也オリジナルの高度なスイッチスタイルを確立させています。
強み|暴風雨【サイクロン】のごとく打ち続ける連打
高度なスイッチスタイルに加えて突出している点は、無尽蔵のスタミナと脅威的なタフネス(耐久力)。
主戦場は接近戦なのでパンチをもらうことも多いのですが、比嘉大吾との世界戦ではダウンを奪われた後もケロッとして立ち上がり、逆にダウンを奪い返す回復力も見せています。
加えて、100戦を超えるアマチュア経験や地道な基礎トレによって培ったスタミナにより、12ラウンドをフルに戦い、左右の強打を撃ち続けるのことを可能としている。
その猛烈な連打は通り名のサイクロン(暴風雨)そのもので、左右のパワーパンチがスイッチを繰り返しながら暴風雨のように相手に襲いかかります。
距離感を重要視するアウトボクサー、綺麗なスタイルの選手ほど、どんなパンチがくるのかわけがわからなくなる状況に落ち入ることは間違いありません。
距離感が最重要のアウトボクサーにとってはたまったもんじゃないね…
【必見】堤聖也の名勝負 2選
不屈のファイトスタイルから激闘が多く、「名勝負製造機」と評される堤聖也。
そんな彼の数ある名勝負の中から、ぜひ見て欲しい試合をピックアップしました。
VS 穴口一輝(日本バンタム級3位)
堤聖也を語る上で絶対に欠かすことのできないのがこの試合。
大橋ボクシングジム興行モンスタートーナメント決勝戦、および日本バンタム級タイトルマッチ防衛戦。
トーナメントを決勝まで勝ち抜き、賞金1000万円を見事獲得する堤ですが、試合終了後、対戦相手の穴口一輝が控え室で意識を失い緊急搬送されます。
病院で急性硬膜下血腫の緊急手術を受けるが回復することはなく、帰らぬ人となりました。
試合内容は「激闘」の一言で、互いにダウンを奪い合う、壮絶な打ち合いの連続。
穴口は堤の強打を浴び続け、倒れるもスクっと立ち上がりスピーディなコンビネーションで猛然と打ち返していく。
この試合は2023年の年間最高試合(国内)に選ばれ、授賞式のインタビューで語った堤の言葉が忘れられません。
「穴口選手は、本物の、ボクサーでした。」
VS 井上拓真(WBAバンタム級チャンピオン)
堤聖也の世界初挑戦。
相手は同じ「95年組」同期で、アマチュア時代は雲の上の存在であった井上拓真。
当時他の団体を見渡しても、バンタム級最強のチャンピオンであり、下馬評は断然井上拓真の有利予想です。
堤聖也が勝つことは万が一にもないだろう…と正直ぼくも思っていました。そのくらい井上拓真の強さ・上手さは際立っていた。
フタを開けてみれば、スイッチを繰り返しながら鬼のごとく突進していく堤聖也。
井上拓真もロープ際の攻防戦、雷のようなスピードのアッパーカットで上手さを見せつけますが、堤の研ぎ澄まされた精神力と積み重ねた練習量がそれを上回ります。
スタンディングダウンを奪い、3-0の明確な判定勝利。見事世界タイトルを初戴冠しました。
試合後のリング上、堤は新王者のコールを受けた後、手にした世界ベルトを天に向かって掲げます。
空の上の好敵手、亡き穴口一輝選手を背負っての戴冠。
自らのトランクスに刻んだ「AK」(穴口さんのイニシャル)のロゴ。
「まず、穴口に見せたくて、ベルトを空に掲げたんです。」
まとめ:魅力あふれる魂のボクサー


「試合に臨む時は、これで自分の人生は終わるかもしれない。そして相手の人生も終わらせてしまうかもしれない。という覚悟を持っています。」
堤が年間最高試合の授賞式で語っていた言葉ですが、この言葉には、昔ボクサーの端くれだったぼくも強く共感しました。
穴口一輝との試合後、悩み苦しんでリングに戻ってきた堤聖也の言葉は何よりも重く聞こえます。
名勝負製造機・堤聖也の試合は、スリリングでめちゃくちゃおもしろい。
ボクシング初心者にもわかりやすい、猛烈な連打で攻め立てるファイトスタイルであり、雑に見えるようで随所にボクシングデクニックを見せる上手さも持ち合わせているからです。
それを支えるのは尋常ではない量の日々の練習量。
次はどんな感動的な、衝撃的な名勝負をぼくたちに観せてくれるのか…今後も彼の動向から目が離せません。
これだけの実力と、魅力と、ストーリーを持ったボクサーって、いないよ



